読書のやり方をしっかり学んだことない人がほとんどだと思います。ましてや、仕事に活かす読書のやり方なんてもってのほかですよね。
たくさん読書をしているはずなのに、あんまり仕事に活かされてないかも、、、
そんな人も多いと思います。かくいう私もそうでした。
この本を読んだおかげで、娯楽的に消費してしまっていた読書を効率的に知識を得る勉強の読書へと変えることができました。
この本では6つの大原則をもとに読書方法を紹介しています。
➀成果を出すには「2種類の読書が必要」
➁本は「2割だけ」読めばいい
➂読書は「株式投資」と考える
➃「忘れる」ことを前提に読む
➄5冊読むより「1冊を5回読む」
➅読書の「アイドルタイム」を極消化せよ。
どれもなかなか目を惹かれる原則ではないでしょうか?
独学で経営学を学び、20代を大手広告代理店(電通)で、30代を外資系戦略コンサルティングファーム、40代以降は組織開発を専門とする外資系コンサルティングファームで仕事をした筆者、山口周氏が綴る『読書を仕事につなげる技術』の重要だと思ったエッセンスをレビューしていきます。
評価:3.5/5.0
この本から得られるもの
読書を通じて効率的に知識を学ぶことができるようになる
こんな人におすすめ
・読書をビジネスシーンで活かしたい人
・紙の書籍で読書する人
こんな人には若干おすすめできない
・電子書籍で読書する人
レビュー
そもそもどんな本を読むべきか?
仕事に活かすための本ってどんなものを読むべきだと思いますか?
ビジネス書?
それも正解ですが、筆者は教養を学ぶためにリベラルアーツに関連する本も読む必要があると述べています。
※リベラルアーツ=教養を高める教育
ある程度のレベルの集団に属していると、ビジネス書を読むことは普通で他人と差別しにくい。一方で自分の気の向くまま手に取った興味のある本でリベラルアーツを学ぶことで、自分だけの教養を得ることができます。
確かにビジネス書は多くの人が読むと思いますが、自分の興味のある分野やたまたま目にとまった本の方が自分らしく、自分だけの発想に繋がる気がします。
でも、文化人類学だとか農学だとか哲学だとか、仕事と関係のない本で学んだことが仕事に活かされてることってない気がします。
農学の本で「効率的に農業を行うために化学肥料を大量に用いた結果、環境汚染を招いてしまった」とか学んでも自分の仕事に全く生かされる気がしない。
リベラルアーツの本を読んだところで意味なくない?って思いますよね。
心配ご無用。筆者曰くリベラルアーツにはリベラルアーツの活かし方があると。
その活かし方とは事実を抽象化するというプロセスです。
例えば、
事実:アリの巣には一定数遊んでいるアリがいないと、緊急事態に適応できず絶滅するリスクが高まる
抽象化:平常時の業務量に対して処理能力を最適化してしまうと、大きな環境変化が起こった時に適応できず、組織は滅亡してしまう?
こんな感じに事実を自分なりに抽象化してメモしていくことで、自分だけの教養メモをつくることができると筆者は述べています。
これを踏まえてさっきの農学の本から得た知識を抽象化してみましょう。
事実: 効率的に農業を行うために化学肥料を大量に用いた結果、環境汚染を招いてしまった
抽象化:良かれと思ってした行動が思わぬ影響をもたらすことがあるので、その行動がどう影響するかよく考える必要がある?
みたいな感じでしょうか。筆者曰くこの抽象化に正解はなく、あくまで事実から自分なりの仮説をたてる思考プロセスが大事なんだとか。
事実だけ学ぶと無駄に雑学に詳しい頭でっかちになってしまうと思うので、この抽象化してメモしておくという読書方法はぜひ日々の読書に取り入れていった方がいいと思いますね。
驚きの読書方法
筆者は「本は2割だけ読めばいい」と言います。
なんて勿体ない読み方!
お金払って買った本を2割しか読まないなんてありえない!
って思いますよね。
貧乏性の僕からしたら信じられないような読書方法。
しかし、これはある法則に基づく論理的な読書方法なのです。
パレートの法則:成果の80%は全体の20%によって生み出されている
筆者流の読み方
➀まとめの章を読む
➁まとめがない場合は、一番面白そうな章を読む
➂面白くなかったら次に面白そうな章を読む(これを数回繰り返して興味がない本は読むべきではない)
斬新で挑戦的な読み方ですが、無駄につまらない本を全部読んでも時間の無駄で費用対効果がうすいと述べています。
知識は忘れることが前提
リベラルアーツ関連の本で学んだ知識はいつ、どこで、どんなふうに役立つかわからないので、役に立つときが来る前に忘れてしまいます。
そもそも膨大な知識を忘れないように脳にしまっておくのは効率が悪い。私もどんどん物を忘れていくのでリベラルアーツを学んだところで、忘れていってしまうようような気がします。
そこで筆者がおすすめするのが
「魚(情報)を泳がせるイケスをつくる」ことです。
本を読んで得た重要な情報をデジタルデータとして記録することでいつも検索することができるようにします。
筆者はメモアプリ:エバーノートを使用しているようです。
下のリンクからエバーノートへ飛べます
また、筆者は重要部分をメモする前に重要部分にアンダーラインを引いておけと述べているのですが、その際に使う3種類のペンについて紹介されているので、真似してみるといいかもです。
使用するべきペンの種類まで紹介する本は少ないと思うので好印象ですね。
必読書マンダラ
筆者がまとめた必読書マンダラがすごいです。
ビジネスマンが読むべき本が曼荼羅(マンダラ)のような図として紹介されています。
マンダラとはなんぞやって人はググってみてください。
経営戦略、マーケティング、財務・会計、組織、リーダーシップなど8つの分野に合わせて、全てのビジネスマンが読むべき本、分野違いでも読む価値ある本、極めるために読む本ってな感じでまとめられています。
本の巻末では、そのすべての本の内容が紹介されてるのでとてつもなく有益です。
正直、本の内容は興味ないって方でも、このマンダラだけは見とく価値があるかもしれません。
私自身もこのマンダラで紹介されている本を読んでいこうと思ってます。
まとめ
こんな感じに目の鱗な内容ばかりが書かれています。
今回レビューした内容は本編のほんの一部分に過ぎません。筆者が独学でどのように経営学を学んでいったのか超細かく書かれています。
読書方法を今一度見直してみたい人、仕事に読書が生かされてないと思う人、手に取って読んでみてはいかがでしょうか?
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